大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)1234 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大島正義の上告理由第一点および第二点について。

原判決中所論指摘の判示は、原審が本件土地につき上告人と被上告人先代亡Dと

の間に賃貸借契約が締結されるに至る事情として判示したものにすぎないから、も

とより当事者の主張がなければ判示することを許されないものではなく、また、か

りにその判断に所論指摘のとおりの誤認があつたとしても、判決に影響を及ぼすも

のとはいえないから、原判決には所論の民訴一八六条違背、審理不尽の違法なく、

論旨はすべて採用できない。

同第三点について。

原判決は、被上告人先代Dが上告人より本件土地を賃借した旨の被上告人主張の

抗弁を肯認したものであること判文上明らかであり、従つて上告人の使用貸借の主

張が排斥されたものであるこというまでもない。原判決に所論審理不尽等の違法な

く、論旨は採用できない。

同第四点について。

原判決は、上告人本人の供述中第一審および原審における挙示の部分はこれを措

信しない旨判示していること判文上明らかであるから、原判決には所論の違法なく、

論旨は採用できない。

同第五点について。

原判決は、上告人と被上告人先代Dとの間における本件土地の賃貸借につき賃料

の具体的な取極めが行われなかつた事情の一部として、Dは、上告人に賃貸してい

た建物浴場部分の賃料一ヶ月金五万円が当時一般の浴場の賃料に比し著しく安く、

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その倍額位に値上げしたい希望をもつていた旨を判示したのにすぎないから、右賃

料額が右建物の公定賃料に合致するかどうかの判断は必要でない。それゆえ原判決

には所論審理不尽の違法なく、論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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